畳のカビの掃除方法!手順や予防対策を解説
畳にカビが生えるのは、なにも梅雨や台風のシーズンだけのものではありません。
日頃あまり換気していない部屋や日当たりの悪い部屋、家具やカーペットで覆われてしまっている畳にもカビは生えます。
畳に生えたカビの掃除は厄介です。
掃除方法を間違うと、カビが広がったり、アレルギーなどの健康被害も懸念されます。
そこでこの記事では、畳のカビを安全に掃除する方法とともに、掃除したあとにカビが生えないようにする予防策も紹介します。
湿度が高い季節がやってくる前に、カビ対策を万全にしておきましょう。
Contents
カビ掃除前の準備
カビの掃除をするときは必ずマスクをし、汚れてもいい服装に着替えてください。
カビ掃除をすると、カビの胞子が空気中に舞い上がります。
カビの胞子を吸い込むと、アレルギーを起こして健康被害を被る恐れもあります。
特にアレルギー体質ではない方でも油断大敵です。
またカビ掃除する際は換気を十分に行うことも大切です。
カビのレベル別!畳の掃除方法
畳に生えたカビの掃除は、カビの程度によって使い分けます。
部分的なカビの場合、その部分だけカビをかき出して取り除くことも可能です。
しかし広範囲のカビの場合、最悪のケースでは畳替えが必要なこともあります。
カビの量や範囲が少ない場合
畳に生えたカビの範囲が狭かったり、量が少ない場合の掃除方法を2つ紹介します。
いずれも人体への安全度の高い道具で掃除できる方法です。
お酢で掃除する
軽度のカビであれば食用のお酢で掃除できる可能性があります。
お酢は匂いが強いので気になるかもしれませんが、時間の経過と共に匂いは消えます。
ただしお酢の酸で畳が変色する可能性があります。
狭い範囲から、様子を見ながら掃除を始めてください。
用意するもの
- お酢
- 水(お酢の10倍量)
- バケツ
- 古い歯ブラシやたわし
- 雑巾
- 手袋
手順
- お酢の量の10倍の水でお酢を薄める
- お酢を薄めた水を古い歯ブラシやたわしに染み込ませる
- 古い歯ブラシやたわしで、畳の目に沿ってカビをかきだす
- 雑巾でそっと乾拭きする
歯ブラシやたわしでカビを取り除くときは、畳の目に沿って擦り付けるように行います。
畳の目に逆らって擦るとカビが畳の目地に入り込み、取れなくなるので注意しましょう。
また畳は湿気に弱いため、水拭き後は必ず乾拭きして水気を拭き取ることも大切です。
このとき畳を擦らないように、そっと雑巾でカビの胞子を取り除くように行ってください。
エタノールで掃除する
お酢では取れないカビには、お酢よりも強いエタノールを試してみましょう。
エタノールは蒸発しやすいため、畳を湿らせる心配がない点はメリットです。
ただし肌が弱い人の場合手荒れの原因になることがあるので、手袋を着用して掃除するよう注意しましょう。
用意するもの
- エタノール(消毒用)
- 雑巾
- 古い歯ブラシやたわし
- 雑巾
- 手袋
手順
- 少し高い位置からカビに向かってエタノールを吹きかける
- 古い歯ブラシやたわしで、畳の目に沿ってカビをかきだす
- 雑巾でそっと乾拭きする
エタノールを使用する際も、畳の目に沿って擦ってください。
アルコールは揮発性が高いですが、念のためにしっかり乾拭きしましょう。
臭いを伴うカビの掃除方法
掃除でカビを取り除いてもカビ臭い嫌な臭いが残ってしまう場合は、カビを取り除いた後で重曹を使って掃除します。
環境に優しい洗剤として知られる重曹ですが、畳を変色させることがあります。
重曹はカビの臭いが残っている部分に限定して使用して下さい。
用意するもの
- 重曹
- 酸素系漂白剤
- 水
- 重曹、酸素系漂白剤と水を混ぜ合わせる小皿
- バケツ
- 綿棒や割り箸
- 雑巾2枚(水拭き用と乾拭き用、各1枚ずつ)
手順
- 重曹と酸素系漂白剤を1:1の割合で混ぜる
- 少量ずつ水を加えてペースト状にする(水の混ぜ過ぎに注意)
- 畳のカビ臭い部分に重曹のペーストを乗せる
- 5分ほど放置する
- 雑巾を水に浸し、固く絞る
- 畳の目に沿って重曹ペーストを取り除く
- 乾拭き雑巾で水分を拭き取る
重曹ペーストを畳に乗せるときは、肌が荒れないよう綿棒や割り箸を使ってください。
また畳が激しく変色する恐れがあるので、重曹ペーストを5分以上放置しないでください。
重曹ペーストを拭き取ったらペーストと水分をしっかり拭き取りましょう。
畳の広範囲にカビが生えている場合の掃除法
広範囲にカビが繁殖している場合は、畳を陰干しで3〜4日乾燥させる必要があります。
天気の良い日が続くタイミングを狙って行いましょう。
用意するもの
- ほうき
- 雑巾
手順
- 畳を室外に出す
- 畳の目地にそって、ほうきを使いカビを払い落とす
- 日陰で3〜4日かけて乾燥させる
陰干しできるスペースがない場合は、表面が太陽に当たらないよう干せば、畳の日焼けを防止できます。
ただし、この方法はいくつもの困難を伴います。
まず畳の上に家具がある場合は、家具を移動させてから畳を外さなければなりません。
畳自体もかなりの重量があるので、人手が必要です。
また室外に畳を干しておけるスペースも必要です。
畳の表替えを依頼する
畳は表面の後座の部分を張り替えることができます。
カビが畳の深い部分まで到達していなければ、畳の表替えで取り除くことも可能です。
畳の表替えでは、表面のござと畳の縁に縫い付けられた部分を交換できます。
畳は4〜5年で表替えするのが一般的です。
表替えは畳の専門店で相談できます。
畳のカビ掃除で注意すべきこと
畳のカビを掃除する時に絶対してはいけないことが3つあります。
- 水拭き
- 掃除機
- 畳を強く擦る
間違った掃除法で畳のカビを掃除するとカビの範囲が広がったり健康被害に繋がる可能性もあるので、注意しなければなりません。
水拭き
畳のカビ掃除にはできるだけ水分を伴わない方法で行うことが大切です。
カビは水気を好み、畳は水気を含みやすい性質があります。
畳のカビを掃除する目的で使用した水分が畳の中に残っていると、取り残したカビの胞子の栄養になり、さらにカビが増殖する原因になりかねません。
畳を掃除するときは極力水気を切り、乾拭きでしっかり水分を拭き取って仕上げましょう。
日頃の掃除で掃除用シートを使うときも、ドライタイプを使って下さい。
掃除機
カビ掃除に絶対使ってはいけないものが掃除機です。
掃除機はゴミを吸引する際に空気を排出する構造になっています。
吸い込んだカビが空気中に拡散されるため、カビ掃除に掃除機の使用は厳禁です。
カビの掃除は、空気中にカビが舞い上がらないように静かに行ってください。
畳を強く擦る
畳に生えたカビ取り掃除では、畳を強く擦ってはいけません。
畳の目地の奥までカビが入り込んだ場合、畳替えする以外に掃除する方法がなくなります。
同じ理由で畳の目地に逆らうような向きで擦るのもやめてください。
カビの胞子は細かく、畳の奥に入り込めば畳自体をダメにする恐れもあります。
畳のカビ掃除は慎重に、丁寧に行いましょう。
畳のカビを予防する方法
畳に生えたカビを取り除いたら、もうカビが生えないような対策も施しましょう。
カビが繁殖しにくい環境に整えることがカビ予防には欠かせません。
換気
カビは湿気を好みます。
畳は水分を吸収しやすいため、カビにとって好都合の環境です。
畳のある部屋はこまめに換気するように心がけてください。
天気の良い日は窓を開けて換気します。
日当たりが悪い場合や窓がない場合は、サーキュレーターや除湿機を使うのもよいです。
また家具の陰になる箇所や敷物の下もカビの温床になりやすい箇所です。
定期的に家具を移動させて風を通したり、敷物を動かして掃除したりといった配慮が欠かせません。
こまめな掃除
カビはホコリや食べかすなどの汚れを栄養にして繁殖します。
こまめな掃除を実施してカビが繁殖できない環境を整えましょう。
畳を掃除するときは、必ず畳の目地に沿って行ってください。
畳の目地を傷めるのみならず、隙間に入り込んだホコリやゴミがカビのエサになる恐れもあります。
クエン酸スプレーによる掃除
クエン酸には抗菌作用があるため、カビの発生を予防する効果が期待できます。
大掃除や季節の変わり目などのタイミングでクエン酸による掃除を実践することで、畳にカビが生えるのを未然に防ぎましょう。
用意するもの
- クエン酸(小さじ1杯)
- 水500ml
- スプレーボトル
- 雑巾
手順
- スプレーボトルにクエン酸小さじ1杯と水500mlを入れ、よく混ぜる
- 畳にクエン酸スプレーを吹きかける
- 雑巾で乾拭きする
乾拭きするときは畳の目に沿って行い、水分をしっかり拭き取ってください。
またクエン酸スプレーは時間の経過と共に消毒効果が衰えていきます。
作ったらすぐに使用し、残ったスプレー液は1〜2週間を目安に使い切りましょう。
まとめ
畳にカビが生えた場合、軽度であれば自分で掃除することも可能です。
カビを吸い込まないようにしっかり対策をとり、丁寧にカビを取り除きましょう。
カビの範囲が広範囲である場合や、自分では難しいと感じる場合は、専門の業者に相談するのも有効な手段です。
専門の業者なら畳の状態を確認し、最適な方法で速やかに掃除を完了してくれます。
畳の部屋は落ち着きますが、お手入れが肝心です。
畳のお手入れもかねて、表替えを検討するのも一つの方法です。