買い物代行をお願いする際に注意したいトラブルとは?
買い物代行は、依頼主に代わって指定した買い物を済ませてくれる便利なサービスです。
単身高齢世帯の増加や緊急事態宣言を受けて、自分で買い物にいけない時でも必要な買い物を済ませられる便利なサービスとして、需要が著しく増加しています。
しかし買い物代行を利用する人が増加するに従って、トラブルも増えています。
そこでこの記事では、買い物代行にまつわるトラブルにはどのようなものがあるのか、またどうすれば安全に買い物代行を利用できるのかを解説します。
Contents
買い物代行のサービスとは
買い物代行とは、依頼者の代わりに買い物をし、自宅まで届けてくれるサービスです。
日常的な買い物を代行するほかにも、なかなか手に入らない限定品の代理購入を依頼できる買い物代行もあります。
買い物代行で受けられるサービス内容
買い物代行を依頼すると次のようなサービスを受けられます。
- 依頼内容に応じた買い物
- 購入した商品の配送
インターネットショッピングを採用するスーパーも増え、店頭に並ぶ同じ商品を、インターネットショップで注文し、指定した日時に自宅まで 配達してもらうことも可能です。
しかしスーパーのサービスでは、複数店舗にまたがる買い物はその分配送手数料がかかったり、まだインターネットショップに対応していない店舗もあります。
一方で買い物代行サービスは、自宅にいながら複数店舗や指定した店舗で、買い物することが可能です。
買い物代行を請け負う業者とは?
買い物代行サービスを請け負っているのは次のような業者もしくは個人です。
- 買い物代行業者のスタッフもしくは登録スタッフ
- 家事代行業者のスタッフもしくは登録スタッフ
- スキルシェアサービスや買い物代行のマッチングサービスを利用する個人
- SNSで買い物代行を請け負う個人
企業として買い物代行を執り行うものもありますが、個人があくまで副業として企業に属さずに請け負う場合もあります。
また最近では、SNS上で買い物代行を依頼したい人と請け負いたい人が、メッセージのやりとりを介して繋がるケースも少なくありません。
買い物代行業者に対する法規制
2022年4月現在、買い物代行業自体を規制する法律はなく、特別な資格や許可も不要です。
企業であればそれぞれの業種における法の規制を受けます。
しかしマッチングサービスなどを利用して個人に買い物代行を依頼する場合は、あくまで依頼者と依頼を受けた個人間でのやり取りになるので注意が必要です。
買い物代行サービスを利用するメリット
買い物代行サービスを利用することで得られるメリットには次のようなものがあります。
- 買い物に行く時間を節約できる
- 必要な物以外を無駄に買わなくなる
- 自分で外出しなくても買い物できる
買い物代行サービスを利用すれば、買い物に出かける時間や手間を省くことができます。
また、買い物に出て必要ないものまで買ってしまう無駄遣いを防ぐことにも繋がります。
高齢者や妊娠中、療養中の方や、忙しい時、社会情勢によって極力外出したくない時にも、買い物代行は便利です。
また、家事代行サービス会社であれば、買い物代行以外の家事を依頼することもできます。
【ご紹介】
買い物代行サービスを利用するデメリット
買い物代行業を利用するデメリットには次のようなものがあります。
- 購入前に商品の状態を確認できない
- 自宅で待機しなくてはならない
- 必要なタイミングですぐに買い物できるわけではない
自分で買い物すれば商品の質や値段を見比べて購入できます。
しかし買い物代行を依頼した場合は、買い物代行を受託した人に任せるしかありません。
商品を自宅で受け取る場合は自宅で待機しなければならないので、場所を拘束されます。
また買い物代行は受託するスタッフあってのものなので、必要な時に必要な買い物をすぐに依頼できるとは限りません。
買い物代行サービスのトラブル内容
自分で買い物に行かなくても必要な商品を購入できる便利な買い物代行サービスですが、さまざまなトラブルの事例も報告されています。
依頼する側が迷惑を被るトラブルには次のようなものがあります。
- 商品が傷んでいる・破損している
- 依頼した商品と違う物が届いた
- クレジットカード番号を悪用された
- 先払いしたが商品が届かない
また買い物代行を請け負う側がトラブルに巻き込まれる事例もあります。
- 買い物したが代金を払ってもらえない
それぞれのトラブル事例を詳しく見ていきましょう。
商品の傷み・破損・誤購入
生鮮食品をはじめとする傷みやすい食材や、商品が破損した状態で届くことがあります。
こういった場合は、買い物代行業者に連絡して対応を求めなければなりません。
例えば配送の過程で傷んだり、破損したりした場合は、買い物代行業者に代替商品の配送もしくは返金を求める対応が必要です。
また買い物代行業者が購入した段階ですでに傷んでいたり破損していたにも関わらず見落として購入した場合も、一旦の責任の所在は買い物代行業者にあります。
販売店舗への補償請求するか否かは、買い物代行業者が判断する内容です。
買い物代行業者を介して商品を購入している場合は、商品に何らかの問題があっても、販売店に直接問い合わせるのではなく、買い物代行業者との間で調整しましょう。
クレジットカード番号を悪用された
最近増加している買い物代行とのトラブルが、クレジットカードの悪用です。
こういったケースはSNS上のやりとりで多く報告されています。
TwitterなどのSNS上で買い物代行してくれる人を募ったり、買い物代行の依頼を募集したりするケースが増加しています。
メッセージだけの顔の見えない個人間のやり取りの中で、買い物代行を請け負い、クレジットカード番号をメッセージで伝えて購入を依頼する流れです。
クレジットカード番号は、下3桁が分かるだけで十分悪用が可能と言われています。
クレジットカード番号を全て伝えたことで、カード番号を使用して個人的な買い物に悪用され、依頼していた商品の購入は果たされないといったトラブルが後を絶ちません。
もちろん、SNS上で買い物代行を請け負う人の全てが悪質なわけではありません。
しかし一部では、このような悪意のあるユーザーによる詐欺トラブルに巻き込まれるケースも、少なくないことは理解しておく必要があります。
SNSで出会った相手は、見知らぬ他人であることを忘れてはなりません。
商品が届かない
買い物代行を依頼する先によって、依頼料と購入代金の先払いをするケースがあります。
この場合に、依頼した買い物が届かず、スタッフとの連絡もつかないといったトラブルが起きることがあります。
あらかじめ契約内容を確認するほか、マッチングアプリやSNSを介した個人間でのやりとりでは特に注意が必要です。
買い物したが代金を払ってもらえない
買い物代行の依頼を受ける側が不利益を被るトラブル事例もあります。
買い物した商品と交換で料金を受け取る場合、お金を支払ってもらえないトラブルです。
この場合、買い物代行の依頼を受けた側には損失しかありません。
安全に買い物代行サービスを利用するポイント
買い物代行を利用するにあたって、トラブルを回避するためには買い物代行の依頼先を慎重に検討する必要があります。
買い物代行を依頼する際に特にチェックしたいポイントは次の通りです。
- 社会的信用度
- 料金設定
- 延長料金や追加料金の有無
- 見積もり
- 契約書
- スタッフのスキル
- 利用する交通手段
社会的信用度
買い物代行サービスを企業に依頼する際は、企業の社会的信用度を確認してください。
- ホームページがある
- 事業所の所在地が明確
- 電話、メールの問い合わせ先が明示されている
- 実績や口コミが公開されている
マッチングアプリやSNSで個人に依頼する場合は、受託した業務に対する評価や本人が発信している内容などで実績を調べておくと安心です。
料金
買い物代行サービスを依頼する際は、料金体系をあらかじめ確認することが大切です。
依頼先によって、買い物代金に買い物手数料や交通費を合わせて請求するケースや、スタッフの拘束時間で料金を請求されるケースもあります。
時間単位の場合は、スタッフの交通手段も聴取しておくようにしましょう。
居住地域によっては車でないと買い物時間が長くかかる場合や、逆に公共の交通機関を利用する方が早い場合もあります。
また、追加料金がかかる場合の条件についても確認しておきましょう。
あらかじめ見積もりをとり、契約書を交わして、万が一のトラブルを回避しましょう。
スタッフのスキル
買い物は誰でもできるようで、実際はスキルと経験が必要です。
例えば生鮮食品の鮮度を見分けるには、経験や知識が欠かせません。
購入した商品が傷まないように買い物袋に入れ、安全に配送する気遣いも必要です。
また買い物する地域に土地勘がある人であれば、短時間で効率的に買い物できるでしょう。
まとめ
買い物代行サービスは若い世代から高齢世代まで広く利用され、自分で買い物に出向くのが難しい場合に便利なサービスです。
しかしまだ法整備が追いついておらず、思わぬトラブルが発生する恐れもあります。
買い物代行を安全に利用するために、依頼先を決める段階では慎重に吟味し契約書を交わすことで、トラブルを未然に回避してください。