初心者がペンキの塗り方で失敗しない方法とは?
初心者でも、ペンキ塗りは簡単にできるものでしょうか。
DIYでペンキ塗りができたら、室内や家具のイメージを変えることができるので便利です。しかし初心者の場合や道具選びやペンキの塗り方で、いくつかのポイントを知っておく必要があります。
ペンキは乾くと消せないので、塗る前の下準備が重要です。
そこでこの記事では、初心者でも失敗しないペンキの塗り方を解説します。
Contents
ペンキの種類と選び方
初心者でもペンキ塗りで失敗しないためには、ペンキ選びが重要です。
ペンキの種類は水性ペンキと油性ペンキの2つに分類できます。
水性ペンキは顔料をはじめとする成分を水に溶かして作ったペンキです。
そのため初心者でも取り扱いやすく、乾く前であれば水洗いできます。
一方の油性ペンキは、シンナーに顔料などを溶かして作られています。
そのため油性ペンキは強い臭いがあり、火器にも注意が必要です。
それぞれのメリットとデメリットを比較したものが次の表です。
塗料の種類 | メリット | デメリット |
水性ペンキ | 乾燥する前なら水で落ちる発色がいい重ね塗りしやすい火気の心配がない | 乾くのに時間がかかる剥がれやすいツヤが出にくい塗る場所によって下地必須 |
油性ペンキ | ペイントが剥がれにくいツヤが出る長持ちする乾きが速い | 専用の薄め液がないと落ちない薄め液で希釈して使用する臭いが強い火気厳禁 |
ペンキ塗りの初心者であれば、水性のペンキが扱いやすいです。
水性ペンキは乾きが遅いので、慣れない初心者でもじっくり時間をかけてペンキ塗りできます。
また重ね塗りしやすく、万が一間違って塗っても乾燥する前なら水で洗い流せるのも魅力です。
ペンキ塗りの回数を重ねて熟練してから、難易度の高い油性ペンキに挑戦するとよいでしょう。
水性ペンキを塗る時の注意点
水性ペンキを使用するときは、次の点に注意してください。
- 天気の良い日に行う
- 少量ずつ塗る
水性ペンキは水に弱く、乾くまでに時間がかかります。
天気の良い日が続くことを確認してから水性ペンキを使うとよいでしょう。
また水性ペンキを厚塗りすると、乾くのに時間がかかります。
また色ムラの原因になってしまいます。
ほか、厚く塗った箇所はシワやひび割れしやすくなるので注意が必要です。
水性ペンキは水洗いで落ちやすい性質がありますが、衣類に付着するときれいに落ちないこともあります。
水性ペンキを使用する際は、汚れても良い服装に着替えて、念の為手袋を着用すると安心です。
水性ペンキを塗す際に必要な道具
ペンキを塗る道具には次のようなものがあります。
- ローラー
- コテバケ
- ハケ
- スポンジ
広い範囲を塗るときはローラーやコテバケを、狭い範囲や細かく入り組んだ箇所を塗るときはハケやスポンジが便利です。
特にコテバケは、初心者向けの道具です。
先端は平面で幅広い作りになっており、内部はスポンジなので大量にペンキを含むことができます。
一気に広い面を塗ることができ、何度もペンキを付け直す手間も不要です。
ペンキを塗る箇所が少ない場合は、スプレータイプのペンキを活用するのも良いでしょう。
ただし満遍なくスプレーしないと、色むらが出ることがあるので注意してください。
スプレータイプのペンキを塗るときは、塗りたくない部分をマスキングテープなどで保護すると仕上がりがきれいです。
ペンキ塗りを終えたら、使用した道具は乾燥する前に水洗いしてください。
ペンキが乾燥すると落ちなくなります。
水性ペンキの基本的な塗り方
水性ペンキは使用する前にしっかりかき混ぜてください。
塗料の成分が沈んでいることがあります。
成分が分離した状態のままペンキ塗りすると、色ムラが出る原因になります。
ペンキを一度に大量に塗ると失敗しやすくなります。
薄い層を丁寧に塗り重ねてください。
この時、塗ったペンキが乾くまで重ね塗りは控えましょう。
水性ペンキは乾くのに時間がかかるので、完全に塗り終えるのに時間がかかります。
しかし乾燥させる手間を惜しまないことが、きれいに仕上げるために欠かせません。
初心者も失敗しないペンキの塗り方のコツ
初心者でもペンキをきれいに塗るためには、次のコツを守って丁寧に作業することが大切です。
- 下処理する
- 隅から塗り始める
- 一定方向へ一定のペースで塗る
- 厚塗りしない
下処理する
ペンキ塗りを成功させるには、下処理が重要です。
いきなり塗り始めるとムラができたり、塗ったペンキがすぐに剥がれることがあります。
下処理の方法はペンキを塗る場所によって異なるので注意してください。
ここでは次の素材にペンキを塗る場合の下処理の方法を解説します。
- 壁紙(布製)
- 石膏ボード
- 土壁
- コンクリート
- セメントモルタル
- 木材
- プリント合板
- 鉄
- トタン
なお全ての場所でペンキを塗り始める前にはゴミやホコリを取り除いたあと、よく乾いた状態になるまで乾燥させてください。
壁紙
凹凸や傷があれば、コーキング剤で補修します。
なおコーキング剤は、建物の補修や建材の接着剤の役割を果たします。
ホームセンターで購入可能です。
コーキング剤が乾いたら、ペンキを塗ってください。
石膏ボード
石膏ボードの継ぎ目の凹凸をなくす必要があります。
まず継ぎ目に目地補強テープであるファイバーテープを貼り、その上からパテ処理します。
パテ処理とは、ペンキを塗る面を平らにするために行う作業です。
パテ粉と水を混ぜてちょうどいい粘土にしたら、パテを塗りつけて面を平らにします。
パテ処理が終わったら下地処理剤のシーラーを塗り、その上からペンキを塗ります。
土壁
劣化している古い壁も取り除いたら下地シーラーを塗り、その上からペンキを塗ります。
下地シーラーを塗ることで古くなった壁がこぼれ落ちてくるのを防ぐことができますが、劣化の度合いが激しい場合はあらかじめ取り除いておきましょう。
この一手間で、ペンキを塗った後の仕上がりに大きな差が出ます。
コンクリート
下地シーラーを塗ってから、ペンキを塗るときれいに仕上がります。
ただし新しいコンクリートの場合は、ペンキを塗る前にしっかり乾燥させなければなりません。
1ヶ月以上乾燥させてからペンキを塗ってください。
セメントモルタル
ひび割れや傷があればパテ処理した後、サンドペーパーをかけて面を平らにします。
さらに下地シーラーを塗ってから、ペンキを塗ってください。
木材・プリント合板
サンドペーパーで表面の凹凸をなくしてから、ペンキを塗ります。
なお未塗装の木材の場合は、十分に乾燥させてからペンキを塗ってください。
またニスが塗ってある木材の場合、ペンキがきれいに濡れないことがあります。
ニスの上にニスを重ね塗りすることはできるので、ペンキの代わりにカラーのニスを塗るのも良いでしょう。
鉄・トタン
古い塗膜やサビをサンドペーパーで落としたら、サビ止め剤を下塗りします。
錆止め剤が乾いたら、ペンキを塗ってください。
隅から塗り始める
ペンキを塗る時は隅やコーナーといった塗りにくいところから始めて、徐々に中心に塗り進めてください。
ペンキを塗る面の中央や広い部分から塗り始めると、色ムラが出たり均一に塗れないことできれいに仕上がらないことがあります。
ペンキは隅から中央に向かって塗るのが鉄則です。
一定方向へ一定のペースで塗る
ペンキは一定方向に塗りましょう。
例えば上から下へハケやローラーを動かして塗り始めたら、最後まで上から下へ塗り続けます。
もちろん左右に動かしても構いませんが、塗る場所によって上下に塗ったり左右に塗ったりしないように注意してください。
またハケやローラーを小刻みに動かしたり、大きなストロークでゆったり塗ったり、塗るペースを変えるのも好ましくありません。
色ムラが発生する原因になります。
ペンキを塗るときは機械のように同じスピードで同じ動きを続けましょう。
仕上がりが格段に変わります。
厚塗りしない
ペンキは薄く、一定の厚さで塗るのがきれいに仕上げるコツです。
ペンキの厚みが異なる箇所ができると、見栄えが悪くなります。
厚塗りした箇所に他の箇所の厚さを合わせるのは容易ではありません。
薄く塗っていれば、後から重ね塗りで調整することができます。
ペンキによっては一度塗りでは発色が足りないこともあるでしょう。
その場合は、一度全て塗り終わって、しっかり乾燥させてから重ね塗りしてください。
まとめ
初心者がペンキ塗りで失敗しないためには、下処理や重ね塗りの前に乾燥させる時間を惜しまないこと、そして塗る順番や塗り方を守ることが大切です。
水性ペンキを使えば、万が一塗り間違いがあっても、乾く前であれば修正もできます。
初心者であれば水性ペンキから挑戦してみると良いでしょう。
しかし水性ペンキでは劣化しやすく、塗り直しが必要になる可能性が高いことは念頭に置くべきです。
また乾くまでに時間がかかるので、広い範囲を塗る場合、ペンキ塗り作業に何日もかかることもあります。
DIYや趣味の一環であれば、気長に作業するのもよいでしょう。
ただ急を要する場合は、業者に依頼することを検討してください。