排水がつまる原因とは?場所別の解消方法や注意点について
排水口はこまめに掃除していても、毎日頻繁に使用する箇所であるため、つまりを起こすことがあります。
しかし、軽微なつまりならご家庭にある道具でつまりを解消することも可能です。
そこで今回は、こんな疑問に対する答えを紹介していきます。
- 自分で排水のつまりを解消したいけれど、どうすればいいのかわからない
- 必要な器具って何?どこで手に入る?
- 掃除しているはずなのに、排水がつまるのはなぜ?
- 予防策はないの?
- 業者に頼むしかないのはどんなケース?
水回りとひとことで言っても、いろいろな箇所があります。
キッチン・風呂場・洗面台の箇所別に、排水が詰まった場合の対策を解説します。
Contents
キッチンの排水のつまり解消法
毎日頻繁に使用するキッチンは、排水のつまりが起こりやすい箇所です。
キッチンの排水がつまった場合の解消方法を、つまりのレベル別にみていきます。
軽度なキッチン排水のつまり対策1
<用意するもの>
- パイプクリーナー
- ゴム手袋
- マスク
- 汚れてもいい服、もしくはエプロンなど
<手順>
- 排水口のふた、バスケット、排水トラップなどの部分を全て取り外す
- 排水管に、パイプクリーナーを流し込む
- 所定の時間、放置する
- 大量の水を流して薬剤とつまりを洗い流す
つまりが極軽微ならば、パイプクリーナーで溶かし出せることもあります。
薬剤を使用するため、換気を十分にした状態で行いましょう。
また万が一服に付着した際に備えて、汚れても良い服や、エプロンをするとより安心して作業できます。
パイプクリーナーは各メーカーからさまざまな種類が販売されていますが、比較的溶解力が高いと言われているのが「液状タイプ」と「ジェル状タイプ」です。
排水管の中に薬剤が付着しやすいため、粉末より液体の方が溶解力が高い傾向にあります。
軽度なキッチン排水のつまり対策2
<用意するもの>
- 重曹
- 酢(重曹1に対して酢が2になる割合で用意する)
- 湯(60度程度)
<手順>
- 排水口のふたを外し、バスケット、排水トラップにまんべんなく重曹を振りかける
- 重曹をかけた上に、酢をまんべんなく振りかける
- 酢と同量程度の湯をかける
- 1時間程度放置する
- 水で洗い流す
極軽微なつまりであれば、エコな洗剤として人気がある重曹と食品である酢を使ったこの方法で、薬剤を用いることなく解消できます。
重曹と酢を使った方法は環境負荷が低く、小さなお子様のいるご家庭でも安心して実践できる方法です。
軽度なキッチン排水のつまり対策3
<用意するもの>
- 古タオルや古布といった、廃棄してもいい布製品(長さのあるものが使いやすい)
- お湯(60度くらい)
<手順>
- 排水口のふた、バスケット、排水トラップなどの部分を全て取り外し、排水管が見える状態にする
- 雑巾や古布などの端の一片を、排水口に隙間なく押し込む
- 排水口に押し込んだ布の反対側の先端を、シンクの淵から飛び出すように掛ける
- シンクの7〜8分目までお湯を張る
- 排水管に押し入れた布を抜き、一気に湯を排水管に流す
これは大量の湯を活用し、一気に排水管に大量の湯を流し込むことで、物理的に排水管のつまりを解消する方法です。
中程度のキッチン排水のつまり対策1
<用意するもの>
- ラバーカップ(すっぽん)
ラバーカップとは、トイレのつまり解消によく利用される、先端に半球形のゴムがついた器具です。
これはトイレのつまりだけでなく、つまり全般を解消する器具として広く活用されています。
<手順>
- 排水口のふた、バスケット、排水トラップなどの部分を全て取り外し、排水管が見える状態にする
- ラバーカップの先端で、排水口を覆うように設置する
- シンクに10センチ程度水を張る
- ラバーカップを静かに押し込む
- 最後まで押し込んだら、ひと呼吸置いてラバーカップを引き抜く
上記の工程でつまりが解消しない場合は、この作業を5〜6回繰り返してみて下さい。
中程度のキッチンつまり対策2
<用意するもの>
- 真空式パイプクリーナー
真空式パイプクリーナーは、ホームセンターやインターネットショップで購入できます。
ラバーカップのように強い力は不要なため、力の弱い方でも使いやすい器具です。
<手順>
- 排水口のふた、バスケット、排水トラップなどの部分を全て取り外し、排水管が見える状態にする
- 真空式パイプクリーナーの先端を排水口に密着させる
- 真空式パイプクリーナーのレバーを数回上下動させる
- 排水口から真空式パイプクリーナーを外す
- 水を流して、つまりが解消していることを確認する
上記の工程でつまりが解消しない場合は、この手順を5〜6回繰り返してみて下さい。
重度なキッチンの排水のつまり対策
<用意するもの>
- ワイヤーブラシ
ホームセンターで購入できます。
ワイヤー部分が長いものだと、つまりの箇所が奥まった場所でも対応できるので便利です。
<手順>
- 排水口のふた、バスケット、排水トラップなどの部分を全て取り外し、排水管が見える状態にする
- 排水管にワイヤーブラシを入れる
- 途中でワイヤーが入らなくなったら、角度を変えるなどして奥へ押し込む
- 何度か角度を変えたり回転させてもワイヤーが入らない箇所がつまりの原因箇所なので、そこでハンドルを回しながら汚れをこそげ落としていく
排水管の中はカーブを描いているので、ワイヤーが先に進まない箇所に遭遇します。
ワイヤーが奥まで進まない理由が、排水管のカーブ部分に当たっているだけなのか、それともつまり箇所なのかを見極めることが重要です。
洗面所の排水のつまり解消法
洗面所の排水が詰まる原因のほとんどは、一緒に流れ込んだ髪の毛がつまったものです。
洗面所で鏡を見ながらドライヤーを使ったり、ブラシで髪をとかしたりする際に抜け落ちた髪の毛が、 知らぬ間に排水口に流れ込んでつまりを引き起こします。
軽度なつまりの場合は、「軽度なキッチン排水のつまり対策1」を試してみて下さい。
重度な洗面所の排水のつまり対策:排水口を分解してつまりを取り除く
<用意するもの>
- ウォーターパイプフライヤーやモンキーレンチ(排水管を固定するナットのサイズにあったもの・ホームセンターやインターネットショップで購入可能)
- ゴム手袋
- 雑巾
- ブラシ
- バケツ
<手順>
- 洗面所の下の扉を開け、中に収納されているものがあれば取り出す
- バケツを排水パイプの下に置く
- パイプを固定するナットを、工具を使って外す
- ナットを外しながらパイプを外す
- パイプ内部のつまりや汚れをブラシで取り除く
- パイプをナットで締め直す
洗面台の排水管は、比較的容易に分解できるものが多いです。
しかし金属製のものは強度が高く、締まりすぎてナットを緩められないこともあります。
また、プラスチック製のものは金属製より強度が弱く、破損する恐れがあります。
破損した結果、その部分から水漏れして、業者を呼ぶような事態にも陥りかねません。
古いタイプのナットや排水管も、経年劣化で破損する可能性があるでしょう。
排水管を分解しての作業は、失敗すると水漏れという大事故につながります。
自分で作業する自信がない場合や、工具を新たに買い求めるのが億劫に思える場合は、業者に修理依頼するのもひとつの方法です。
風呂場の排水のつまり解消法
風呂場の排水がつまる主な原因は、「髪の毛」「洗剤や石鹸のカス」の2つです。
排水と一緒に流れた髪の毛が、排水管にこびりついた洗剤や石鹸カスに付着しながら堆積し、排水口を詰まらせる原因になります。
風呂場の排水のつまり対策
風呂の種類にもよりますが、排水口にカバー・ヘアキャッチャー・排水トラップの部品を装着させた構造の排水があります。
この場合ヘアキャッチャーに髪がつまったり、排水トラップに溜まったぬめりに髪の毛などが絡みついて、つまりの原因になっているケースも少なくありません。
<用意するもの>
- スポンジ
- 浴室用の洗剤
- 小さなゴミ袋
- 手袋
<手順>
- 排水口のカバーを外す
- ヘアキャッチャーのゴミを取り除く
- ヘアキャッチャーを反時計回りに回して外す
- 排水トラップの掃除をする
- 排水トラップとヘアキャッチャーを元通りに設置する
- 排水口のふたを閉める
ヘアキャッチャーはあっという間に髪などのゴミが溜まる箇所です。こまめに清掃するよう心がけましょう。
軽度なつまりの場合なら他にも、「軽度なキッチン排水のつまり対策1」のパイプクリーナーを使用した方法もあります。
また、上記方法でも解消しない場合は「中程度のキッチンつまり対策1」で紹介したラバーカップ、「中程度のキッチンつまり対策2」で紹介した真空式パイプクリーナー、「重度のキッチンつまり対策」で紹介したワイヤーブラシ等を試してみて下さい。
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排水がつまらないための予防策
排水のつまりを起こさないためには、清掃すると同時に、排水に流すものに細心の注意を払うことが大切です。
キッチンの排水のつまり予防策
- 食べ物のカスを排水に流さない
- 排水口に、目の細かいネット状のキャップをつける
- 食器や調理器具を洗浄する前に、油分を古紙や古布などで拭き取る
- 排水トラップを定期的に洗浄する
- 排水管をパイプクリーナーで定期的に洗浄する
- キッチンを使い終えたら、お湯を10秒程度流す
油は粘性が高く、ねばねばと排水管内部に付着しやすい物質です。
しかも水に溶けないので、一旦排水口や排水管にこびりつくと、容易には取れません。
なので、食べ物の油分をあらかじめ拭き取っておくことは、排水のつまり予防に大変効果的です。
またキッチンを使い終えたタイミングでお湯を流すことで、排水管や排水口に付着した油分を洗い流す効果が期待できますのでぜひお試しください。
食べ物のカスを流すのはもとより、食品の油分もできるだけ流さない様に注意することで、排水のつまりを回避することができます。
風呂場・洗面台のつまり予防策
風呂場や洗面台のつまりの原因となる髪の毛は、健康な状態の人でも1日あたり50〜100本程度抜けていると言われます。
季節や体質によっては、1日200本近く抜けることもあるそうです。
気をつけていても、ふとしたタイミングで排水口に抜け毛が流れ込み、それが原因である日、排水のつまりという症状を引き起こします。
対策としては、排水口には髪の毛が流れ落ちるのを防止するネットを設置することが有効です。
また、定期的にパイプクリーナーを使って、排水管のつまりが発生しないように髪の毛のつまりを除去しておきましょう。
日頃の小さなケアを積み重ねて、排水のつまりを予防することが大切です。
排水のつまりが解消しない時に考えるべきこと
どうしても排水のつまりが解消しない場合、できる対処法は2つです。
- 自分で排水管を取り外してつまりを解消する
- 専門の業者に修理を依頼する
排水口は、器具を用意すれば、自分で分解して掃除することができます。
解体に必要な器具もホームセンターやインターネットで容易に手に入るものばかりです。
つまりの原因が大きな食べ物のカスなどの固形物であれば、排水管を分解することで簡単に取り除くこともできるため、有用な方法に思えます。
しかし万が一にも作業に失敗すれば、水漏れなどの大惨事になりかねません。
こういったリスクを考慮すると、排水管を分解しての作業は専門家に依頼するのが妥当と言えるでしょう。
最近では無料で点検、見積もりを実施する業者も増えています。
状況の確認と費用の見積もりを、複数の業者からとるのがおすすめです。
まとめ
排水管の中につまりが発生すれば、雑菌の巣窟になるので衛生的にもよくありません。
だからこそ、日頃からのこまめな掃除が重要です。
排水口の正しい掃除の仕方を実践して、つまりにくい状態をできるだけ長く維持できる様に心がけましょう。
もし排水口のつまりを放置したり、間違った方法で対処したりすれば、水漏れなど大きな事故につながる恐れがあります。
自分でいくつかの方法を試してもつまりが改善しない場合は、専門の業者に相談するのが賢明でしょう。