庭の剪定はどうしたらいい?手順や道具を解説
緑のある庭は素敵ですが、定期的な剪定が欠かせません。
自分でできればコストを節約できるのでお得です。
庭木の手入れは専用の道具を揃えることができれば、自分で行うことも可能です。
ただし、剪定は伸びた枝を手当たり次第に切り落とせば良いというものではありません。
方法を誤ると、木を枯らしてしまう恐れもあります。
この記事では、庭木の剪定を行う際の手順や揃えるべき道具、そして注意点を解説します。
自分で庭の手入れをしたいと考えている人は必見です。
Contents
庭木を剪定するメリット
剪定を定期的に行うメリットには次のようなものがあります。
- 庭の見栄えがよくなる
- 病害虫を予防できる
- 木々の成長促進
- 枝が隣家に侵入するのを防ぐ
外観を整えるのはもちろんですが、余分な枝葉を切り落として風通しをよくすることは、病害虫を防いで木を健やかに成長させるために欠かせません。
また伸びすぎた枝葉が隣家に侵入し、ご近所トラブルに発展する可能性もあるでしょう。
庭に木がある場合は剪定は必須事項と言えます。
庭木の剪定方法と手順
剪定方法はいくつもありますが、ここではそのうちの一つ、透かし剪定を紹介します。
透かし剪定とは成長し過ぎた枝葉のバランスを整え、ボリュームをおさえる剪定方法です。
透かし剪定を行うと、次のような効果が期待できます。
- 日当たりや風通しがよくなる
- 養分が必要な部分に行き渡る
- 病害虫の予防
剪定は、遠目から最終的な木の形をイメージし、どの枝木をどのくらいカットするか計画を立ててから始めれば、バランス良く仕上がります。
【手順】
- 地面に養生シートを敷く
- 枝木が密集している箇所の太い枝や長い枝をつけ根から切る
- 内側に向かって生えていたり、下向きや真上に伸びている細い枝をつけ根から切る
- 定期的に木を揺らして枝を振るい落として全体のバランスを確認する
透かし剪定を成功させるコツは次の4つです。
- 枝は上から下に向かって切る
- 枝は付け根から切る
- 太い枝から細い枝の順に切る
- 左右のバランスが均一になるように切る
透かし剪定は、枝を根元から切り落とします。
切ってはいけない枝を切るとバランスが悪くなりますから、慎重に行ってください。
また切り落としていいのはバランスを乱したり木の健やかな成長を阻む枝である忌み枝や不要枝が基本です。
忌み枝の例には次のようなものがあります。
- 他の枝に絡んでいる
- 他の枝の陰になる位置に並行して生えている
- 枝先から幹の方向に向かって生えている
忌み枝か否かを正しく見極めて切り落とすことが大切です。
庭木を安全に剪定するコツ
枝を剪定する時は切断面ができるだけ狭くなるように切ることが大切です。
切断面が広いほど、病害虫が入り込みやすくなります。
切り詰め剪定を除いて基本的には枝に対して垂直にハサミを当てて切るのはこのためです。斜めに切ると切り口の面積が広くなり、木の健康を脅かす可能性が高まります。
しかし固い枝で垂直にハサミが入らない場合は、斜めにハサミを入れることもあります。
太い枝の場合は複数の切り込みを入れ枝を切り落とし、最後に切り口の形を整えます。
庭木の剪定で用意するもの
剪定する際は専用の道具を用意してください。
木の負担を最小限にとどめ、最小限の労力で木の手入れができるように設計されている剪定用のハサミは、特に重要です。
庭木の剪定に使うハサミは4種類あります。
- 剪定バサミ
- 植木バサミ
- 刈り込みバサミ
- 高枝切りバサミ
この他の主な道具は以下のものです。
- ノコギリ
- ほうき
- 熊手
- 脚立
- ゴミ袋
- 手袋
- 養生シート
剪定バサミ
剪定バサミは木の枝を極力傷めずに切ることに特化したハサミです。
庭木の手入れをする際は必ず剪定バサミを用意してください。
一般的な庭木のような、枝の直径1〜1.5㎝程度の細い枝を切る際に使用します。
剪定ばさみは軽量で、手になじむものを選びましょう。
植木バサミ
植木バサミは細かい部分や仕上げの剪定に便利です。
ただし太い枝は切れないので注意してください。
刈り込みバサミ
刈り込みバサミは一度に広範囲を切る際に適しています。
刃と柄がともに長くなっているのが特徴で、生垣の刈り込みに使用します。
高枝切りバサミ
高枝切りバサミは高い所の枝を切るときに使用します。
高枝切りバサミは種類が多いのですが、初心者の方には手元のハンドルを握って操作するグリップ式がおすすめです。
庭木の剪定のタイミング
庭木の剪定は夏と冬の年に2回行うのが基本で、それぞれに異なる目的があります。
夏の剪定
夏に行う剪定は、樹木全体の風通しや日当たりをよくすると同時に、木の栄養状態の改善を試みるのが目的です。
木の状態を見ながら微調整程度に枝をカットするので、弱剪定と呼ばれます。
夏は高温多湿で病害虫が繁殖しやすい季節です。
不要な枝葉を剪定して風が通るように整え、花や実がつきやすくなるように整えます。
またバランスの悪い枝を事前に取り除いておけば、台風による被害も回避できるでしょう。
ただし夏の木々は体力が落ちる傾向がみられるので、剪定は最小限度に留めましょう。
冬の剪定
春に向けてエネルギーを蓄えられる状態を作るのが冬の剪定の主な目的です。
夏に比べるとしっかり選定することから、強剪定と呼ばれます。
冬は木々の成長速度が大幅に落ち、春に備えて体力を蓄える時期です。
そのため冬の剪定ではかなり大掛かりに剪定します
庭木の剪定の注意点
庭木の剪定は、転倒事故など危険を伴う作業ですので十分注意して慎重に行ってください。
また、枝の生え方を確認せずに切り落とすと、木を枯らす危険があります。
安全に庭木の剪定を行うためのポイントを解説します。
剪定する枝の区別
剪定してよい枝を見極めることが、剪定で最も難しいと言っても過言ではないでしょう。
また忌み枝であっても、一気に全て切り落とせば木に負担をかけてしまいます。
木の形を悪くしたり、風通しを悪くするような生え方をしている枝があれば、全体のバランスと木に与える負担を考慮して切り落とします。
万が一の事故に注意
庭木の剪定は高所作業です。
木の中に隠れていた虫が急に飛び出してくることもあります。
また木の枝は細いものでも切るのに力が必要です。
高所で無理な力仕事をしてバランスを崩すなど、転倒事故には十分注意してください。
剪定は切って良い枝の選別にも時間がかかることを考えると、数日に分けて余裕のあるスケジュールで取り組むのがよいでしょう。
まとめ
樹木を美しく整え、健やかな成長を促すために、定期的な庭木の剪定は欠かせません。
しかし切っていい枝といけない枝の判別は知識や経験がないと、かなりの困難です。
間違って枝を切れば木の成長を妨げたり、最悪の場合木が枯れてしまう恐れもあります。
庭木を切るのは特別な道具を使ってもかなりの労力を要するほか、高所作業も伴います。
万が一の事故の危険も念頭に置く必要があるでしょう。
趣味で庭づくりをするなら、少しずつ道具や知識を増やしていくようにしましょう。
ただ忙しい毎日で庭木の手入れのために時間を費やすゆとりがない場合は、剪定のプロに相談して協力を仰ぎましょう。